〜コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集,第12巻,pp381-388,2012.11〜

西日本高速道路(株)本荘 清司

(株)国際建設技術研究所藤原 規雄

(株)国際建設技術研究所葛目 和宏

西日本高速道路エンジニアリング中国(株)牧 博則

要旨:

中国地方の鋼橋RC床版の劣化は凍結防止剤による塩害が主である.劣化が顕著になった床版で押抜きせん断試験を行ったところ,浮き・はく離などの変状があっても押抜きせん断耐力に大きな低下がないことや,外観変状を基にした劣化度と押抜きせん断耐力には明確な相関がないことが確認された.これより交通量の少ない環境下の塩害劣化においては,使用性能が床版の寿命の支配的要素になると考えられるが,大きな影響を及ぼす床版上面の劣化状況を調査する手法はまだ確立されていない.床版上面の調査手法の確立を目指して,過年度より試行を続けているカート式電磁波レーダ法の検出精度を検討した.